運転免許証以外にはどのような本人確認書類があるの?

役場・役所

最近は〝身分証明書〟とは言わずに〝本人を確認する書類〟のように言い換えられていますが、今も昔も多くの人は運転免許証を提示します。

でも筆者の両親のように運転免許を何一つ取得していない方だっていますから、本人確認書類の提示が必要と言われて困る場面ってかなり多いと言っています。

国民全員が加入しなければならない健康保険ですが、健康保険証だけでは身分証明書として通用しない場面のほうが多いですから。

それならば役所で何か身分証明書として使えるものを発行しているのかというと、マイナンバーカードが該当一択になるわけですが、役所や金融機関、携帯ショップではもちろん通用するのですが、一般のお店などではマイナンバーカードでは本人確認書類として認めないケースもあるようです。

またオンラインで銀行や証券会社等の口座を開設する時や携帯電話の契約を行う時に、これまでは免許証やマイナンバーカードの券面をコピーして画像で送信する方法が認められていましたが、今後は一切認められなくなります。

そこで本人確認書類としてどのようなものが通用するのかを見ていきましょう。

 

 

住民票の写しは本人確認書類になる?

住民票の写しは写真が貼付されていないことから、一般的には本人確認書類になりにくいのですが、たとえば免許証の取得時には本籍も記載された住民票の提出が必要です。

またクレジットカードを郵送で新規発行する場合などには住民票の写しの原本が本人確認書類になります。(会社にもよるが……)

普段の生活の中で住民票の写しは本人確認書類としては通用しにくいのですが、1枚発行しておけば意外と助かる場面もあるようです。

※ただし一般的に住民票の写しは発行から6カ月以内の物が必要です

 

住民票の写しなどを請求する際の本人確認書類

ここでは役所で戸籍謄本や住民票の写しを請求するなど戸籍関係証明の交付申請の時に、本人を確認する書類として認められている身分証明書を見ていきます。

まずは1点を提示するだけで本人確認ができるものから。

  • 運転免許証
  • パスポート(有効なものまたは失効後6か月以内の日本国の旅券)
  • マイナンバーカード(個人番号カード)
  • 住民基本台帳カード(写真付き)
  • 国・地方公共団体の機関が発行した身分証明書(写真付き)
  • 船員手帳
  • 海技免状
  • 小型船舶操縦免許証
  • 猟銃・空気銃所持許可証
  • 戦傷病者手帳
  • 宅地建物取引士証
  • 電気工事士免状
  • 無線従事者免許証
  • 認定電気工事従事者認定証
  • 特殊電気工事資格者認定証
  • 耐空検査員の証
  • 航空従事者技能証明書
  • 運航管理者技能検定合格証明書
  • 動力車操縦者運転免許証
  • 教習資格認定証(射撃教習を受講するための認定証)
  • 警備業法第23条第4項に規定する合格証明証
  • 身体障がい者手帳
  • 療育手帳
  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 運転経歴証明書(平成24年4月1日以降発行のもの)

 

以下に示すもの(イ)から1点と(ロ)から1点の計2点、または(イ)から2点を提示することで本人確認ができるもの。

(イ)

  • 国民健康保険証
  • 健康保険証
  • 後期高齢者医療証
  • 船員保険証
  • 介護保険証
  • 共済組合員証
  • 高齢受給者証
  • 国民年金手帳
  • 国民年金証書
  • 厚生年金保険証書
  • 船員年金保険証書
  • 共済年金証書
  • 恩給証書
  • 写真付きでない住民基本台帳カード
  • 戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等請求に押印した印鑑の印鑑登録証明書
  • その他市町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類

(ロ)

  • 学生証
  • 法人が発行した身分証明書(社員証など・国や自治体の機関が発行したもの以外)
  • 国や自治体の機関が発行した資格証明書で写真付きのもの
  • その他市区町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類

 

以下のものは自治体によっては(ロ)に含まれるものとして扱われることがあります。
※「市区町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類」なので自治体によっては認めていないケースもありますので、事前にお問い合わせください。

  • 失効して6か月を超える日本のパスポート
  • 直近の課税証明書や源泉徴収票
  • 発行後6か月以内の本籍地市町村発行の身分証明書
  • 雇用保険被保険者証や雇用保険受給資格者証
  • 母子手帳
  • クレジットカード
  • 定期券
  • 診察券
  • 通帳
  • キャッシュカードなど

 

住民票の写しを発行してもらうときにも本人確認書類が必要なのですが、上記に揚げたような本人確認書類は何一つ持っていない!という方もいらっしゃるでしょう。

“その他市町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類”

という項目が入っているのは、その方の実情に沿って役所側が考慮します・・・ということの現れです。
まずは役所へ電話などで相談し、住民票の写しの発行の際には何を持って行けば本人確認書類として認めてもらえるのかをお尋ねください。

電気・ガス・水道・電話いずれかの領収書と診察券で、住民票の写しの請求の際の本人確認書類として認めてもらえた事例もあります。

 

 

マイナンバーカードをつくる

本人確認書類に該当する物は何もない!という方におススメなのがマイナンバーカードです。
国や自治体が発行に力を入れていることもあり、役所内で写真撮影から申請までを行っている自治体も多数あります。

なんと言ってもマイナンバーカードの発行手数料は無料!

 

 

マイナンバーカードが本人確認書類として使えない?

役所以外でも銀行など金融機関で口座を開設する際や、本人限定郵便物の受け取りの際の本人確認書類として使えるなど、日常生活における本人確認書類として幅広く使えるようにはなってきています。

ところがレンタルショップや物品買取店の中には、写真付きの住民基本台帳カードは本人確認書類として利用できるものの、マイナンバーカードはダメ!とするお店がいまだにあります。
特にweb買取の場合にはマイナンバーカードを除くケースも散見されます。

マイナンバーカードの裏面には個人番号が記載されており、この個人番号の利用は制限されていて「社会保障」「税金」「災害対策」に限定されています。
このため他の本人確認書類と同じようにマイナンバーカードのコピーをとることをためらう場面が多いからではないかと思われます。

このようなお店などでは学生証や社員証、健康保険証などはOKなケースが多いので、マイナンバーカードをメインの本人確認書類として利用し、ダメな場合には健康保険証などを提示するのが現実的ですね。

 

変わる!オンラインでの金融機関の口座開設や携帯電話の契約

これまでオンラインで銀行口座や証券口座の開設をしたり、携帯電話の回線の契約などの際に免許証やマイナンバーカードの両面をコピーして、画像で送信する本人確認が行われてきましたが廃止されます。

マイナンバーカードのICチップにある電子証明書を使ったJPKI方式や、免許証のICチップの読み取り(さらにプラスして本人画像をスマホで読み取り送信)といった公的個人認証サービスの利用に全面的に変わっていきます。

店頭での申し込みの際にも、マイナンバーカードの電子証明書または運転免許証のICチップ読み取りを本人確認の方法として取り入れていくようになります。

こうなると本人確認に使える証明書は運転免許証またはマイナンバーカードだけになります。

※本人画像をスマホで読み取り送信し別途住民票の原本の郵送でもOKですが、時間がかなりかかる点と携帯電話の契約では別途手数料が必要にになるケースも。

持っておかないと何かと不便という時代になってきましたから、役場で無料で発行してもらうことをお勧めします。

 

 

運転免許証を取得する

運転免許証ほど身分証明書・本人確認書類として何にでも通用するものはありません。住所や生年月日が記載され、3~5年に1度は更新されますので写真も今の姿に近いことから、これほど信用されている本人確認書類ってないかもしれないですね。

 

免許証の取得というと普通自動車の免許取得を連想するため、取得費用が相当高いと思いがちです。
でも身分証明書として免許証を取得するだけならば、小型特殊免許が手軽でいいですよ。

小型特殊免許とは小型で最高速度が低い車両を運転するための免許です。
(田畑で使用するトラクターや工場などで使用するフォークリフトなどを運転するための免許です。)

小型特殊免許の取得には実技試験が無く、適性試験で両眼で視力が0.5以上(メガネをしてもOK)、学科試験で50点満点で45点以上取れれば即日免許が交付されます。

学科試験と言ってもそれほど難しいものではなく、原付用の問題集などを一通りやっておけばほぼ問題ありません。

費用は受験手数料1500円と免許証交付手数料2050円の計3550円です。
(その他に申請用写真などが必要です)

 

トラクターやフォークリフトは運転する可能性は低いけど、ひょっとしたらスクーターくらいは乗るかも・・・という方は原付免許に挑戦してもいいかもしれません。
受験手数料1500円と免許証交付手数料2050円の計3550円は小型特殊免許と同じですが、原付講習(4500円)の受講が必要となります。

 

 

公共料金の領収書など

電気・ガス・水道・電話・NHKの受信料など公共料金の領収書と、住民票の写し・保険証・年金手帳などを組み合わせて本人確認書類とする方法は意外といろいろな場面で利用されています。

ただし領収証は発行後6か月以内(3か月以内としていることも)、住所や名前が記載されているほか領収印が押されているものといった決まりがあります。

これらの領収証はすぐに捨てがちですが、身分証明書がないという方は本人を確認する書類のひとつとして保管してきましょう。

 

 

本籍地の役所が発行する身分証明書

就職する際などに企業によっては

「本籍地が発行する身分証明書をもらってきて!」

といわれることがあります。
ここまで見てきた本人を確認するための身分証明書ではなく「禁治産・準禁治産宣告の通知」、「後見登記の通知」、「破産宣告・破産手続開始決定の通知を受けていない」ものであることを証明する証明書です。

本籍地のある役場が発行する証明書ですが、一般的な本人を証明するための証明書としては使用できません。

 

 

さいごに

ふだんは身分証明書なんて気にする場面はあまりありませんが、不在だったために配達できなかった郵便物を郵便局へ受け取りに行ったとき、身分を証明できる書類(免許証など)が無くて困ったと聞いたことがあります。
診察券やキャッシュカードなど複数のものを提示し信用してもらって受け取ったそうですが、いまはマイナンバーカードを取得したので不便を感じる場面は相当少なくなったといいます。

マイナンバーカードならば無料で作ることができますし、あらゆる場面で身分証明となる小型特殊や原付の免許証の取得ならば安価で済みます。その他には日本国旅券(パスポート)の取得も良いかもしれません。

昔より本人確認が厳格になっていますから、困らないように何か一つは取得しておくことをお勧めします。