運転免許には第一種と第二種があることはご存じだと思いますが、二種免許ってどういった場合に必要な免許なのかという問いには、緑色のナンバーを付けた車両を運転する時に必要との答えが返ってくるでしょうね。
意外に知らない二種免許の疑問にお答えしていきます。
二種免許とは
二種免許(第二種運転免許)を簡単に言えば、お金をもらって人を運ぶ車を運転する際に必要な免許です。
バス、タクシー、ハイヤー、運転代行など車に人(旅客)を乗せてお金をいただく仕事をするには、二種免許が必要になってきます。
二種免許は以下の種類があります。
- 普通二種免許
- 中型二種免許
- 大型二種免許
- 大型特殊二種免許
- 牽引二種免許
二種免許が必要な車両は、人を乗せる緑色のナンバーの車です。バス、タクシー、ハイヤーがなど該当します。
これらは営業用の車なので緑ナンバー、そして人を有償で乗せるから二種免許が必要というわけですね。
運転代行ですが、お客様の車なので白ナンバーですが、有償で代わりに運転しそのお客様も同乗することから、2004年から二種免許が必要と法改正されました
なお随伴車を運転する場合は一種免許でも問題ありません。(お客様が随伴車に乗らない場合)
二種免許が不必要なケース
一転免許でも問題なく運転しても良い例として、真っ先に上げたいのが緑ナンバーのトラックです。
緑ナンバー=二種免許が必要と考えがちですが、トラックは人ではなく貨物を有償で運びますので二種免許は必要ありません。
そう言えば霊柩車も緑ナンバーなんですよね、トラックと同じく一般貨物自動車運送事業として登録されるためですが、ご遺体を貨物扱いしているのが何とも……。霊柩車の運転も二種免許は必要ありません。
送迎車の運転には多くの場合、二種免許は必要ありません。
ホテルや旅館、病院などが駅などへの送り迎えで送迎車を走らせますが、無料の場合が多いですよね。有償で送り迎えをしているのではないから一種免許、車両も白ナンバーでOKということになります。
自動車学校の送迎用のバスも上記と同じ理由で、一種免許でOKです。
デイサービスなど施設へ通所介護する場合、ミニバンで送り迎えしている場面をよく目にすると思いますが、こちらも一種免許、車両は白ナンバーでOKです。
幼稚園や学校、スイミングスクールなどでスクールバスが運行されているケースがありますが、バス代として毎月料金が発生しているケースがあります。
お金を支払っているのだから有償だし、当然使用されるバスは緑ナンバーで、運転手は二転免許所持のはず……。
このケースですが無料ではないと言っても利益を上げるための料金というよりは、バス運行の必要経費を利用する人に負担してもらうという性格が強く、いわゆる有償運行には該当しないという考えのほか、使用するバス(マイクロバスだったりワゴン車だったり)は学校などが所有しており、あくまで便宜を図る目的ということから、車両は白ナンバーで運転者は一種免許でOKとなります。
ただしバスの運行を学校等が他社(バス会社など)に委託し、学校等から料金を支払っている場合は有償運行となり、使用するバスは緑ナンバー、運転者は二種免許が必要になります。委託された側は収益を上げるために運行していますから緑ナンバーの車両が必要で、二種免許を持つ運転者が運転しなければいけないということになります。
ただし緑ナンバーのタクシーやバスを運転する時は、必ず二種免許が必要ということでもありません。
その車両を営業以外の目的で運転する場合には一種免許でも問題ありません。たとえば、タクシー会社から工場までタクシー用の車両を回送する時などは、一種免許しか持たない人が運転しても問題ないのです。ただ、営業車だと思われないように、屋根の上の社名表示灯をカバーで覆うなどの配慮をするほうがいいでしょうけど。
二種免許の取得条件
二種免許の受験資格から見ていきましょう。
- 21歳以上で大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許のいずれかを所持していて、停止期間を除いて免許を取得して3年以上。
- けん引第二種免許を受けようとする方は、第一種けん引免許を所持している。
- これから取得したい二種免許以外の二種免許を所持している
- 19歳以上で普通免許を取得して1年を超えていて、指定された教習所で受験資格特例教習を修了している。
上記のいずれかに該当する方は二種免許を取得の資格を有しています。
大半の方は中型や大型免許を取得してから大型二種免許取得という流れになると思いますが、普通免許を取得して3年で二種大型免許の取得条件を得ます。路線バスや観光バスなどを運転したい方は、普通免許から一気に二種大型免許取得でバス運転士にもなれますよ。
二種免許の適性試験は、
- 両眼で見て0.8以上、そして一眼がそれぞれ0.5以上の視力があること(メガネ使用でも可)
- 深視力を3回測って、平均誤差が2センチ以下
- 赤、青、黄色の識別ができる
- 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる
適性試験の条件は以上で、一種免許より視力の基準がやや厳しくなることと、深視力の測定が加わることが異なってきます。
受験資格特例教習と若年運転者期間について
これまで二種免許を取得するには、21歳以上で普通免許などを3年以上(停止期間は除く)継続して所持していることが必要でした。
近年バスやトラックのドライバーが極端に不足している状態なので、少しでも免許を取りやすくするために2022年から特例を設けました。
- 19歳以上
- 普通免許を1年以上保持(停止期間は除く)
この特例が受験資格特例教習で、上記の両方に該当する方が指定された自動車教習所で特例講習を受講すれば、二種免許の取得が可能になるよう要件を引き下げました。
指定された自動車教習所で受験資格特例教習の内容は、
- 19歳と20歳の方は、旅客を乗せる自動車の運転に必要な適性(自己制御能力)を、座学や実車(運転)を含む7時間以上の教習を受講する。
- 免許を取得して1年以上3年未満の方は、旅客を乗せる自動車の運転に必要な技能(危険予測や回避能力)の座学や実車(運転)を含む29時間以上の教習を受講する。
- 19歳または20歳で免許を取得して1年以上3年未満の方は、合計36時間の教習を受講する。
受講を終了すれば特例による二種免許取得が可能になります。
特例によって二種免許を取得したかたは本来の取得可能年齢である21歳に達するまでは、若年運転者期間とします。
若年運転者期間中に、
- 1年間に1点または2点の違反で累積で3点以上になった
- 1年間に3点以上の違反した場合は次の違反をした場合
- 一度で4点以上の違反をした場合
いずれかに該当すると若年運転者講習を受講しなければいけません。
若年運転者講習を受講しなければ、特例によって取得した免許が取り消されます。
また若年運転者講習を受講した人が、若年運転者期間中に再び上記の累積点数に達した場合にも特例によって取得した免許が取り消されます。
特例で取得した分、罰則もきつくなっています……。
二種免許は試験場への一発試験(飛び込み)を受験?
筆者も調べるまでは、二種免許は試験場での一発試験(飛び込み)で合格しなければ取得できないと思っていました。
調べてみると、タクシーなどの普通二種だけではなく、バスなどの大型二種の免許も教習所で教習があり、卒業すれば試験場では適性試験と学科試験に合格すればプロドライバーの仲間入りができるそうです。
もちろん試験場での一発試験の受験で二種免許取得も可能ですが、教習所卒の二種免許合格率は適正と学科試験だけということもあり90%を超えるのに対して、一発試験での合格率は5~10%程度と言われています。
時間はかかっても良いという方は一発試験で臨むほうが金額は抑えられますが、確実に二種免許を取得したい方はやはり教習所に軍配が上がります。
ちなみに試験場での普通二種や大型二種の一発試験にかかる費用ですが、
- 試験手数料 4500円
- 車両使用料(実技試験)2950円
合格後は
- 免許証交付手数料
免許証のみ 2350円
マイナ免許証 1550円
上記の両方 2450円 - 旅客車講習 19200円
- 旅客応急救護処置講習 11100円
※ちなみに教習所卒の方が試験場で必要な費用は
- 試験手数料 1800円
合格後は
- 免許証交付手数料
免許証のみ 2350円
マイナ免許証 1550円
上記の両方 2450円
旅客車講習や旅客応急救護処置講習は教習所の学科教習の一部として受講済みですので、試験場では受講しません。(金額は大阪府警https://manage.rentracks.jp/manage/login)
ちなみに合宿免許でも二種免許のコースを実施している教習所がありますので、素早く取得したい方は利用する価値はかなり高いですよ。
普通二種・普通二種(AT限定)・中型二種・大型二種の教習を行う教習所も多いです。

